ミニPCのWindowsライセンスについて思うこと

最近、ミニPCがわりと流行っているように思う。

特に、N100やN95は安くて、それなりに処理速度も早く

ゲームや動画編集など、極めて画像処理を必要とするものや

演算処理が高度かつ複雑なものでなければ・・・つまり、

ごく一般的なパソコンの使い方であればなんの不満もなく

利用できる物になっている。

動画を見たり、ネットで調べ物をしたり、オフィスワークなど

はもう、いまは一般的には能力が低いとされているパソコンでも

過不足無いものになっているのである。

価格も二万円から三万円で買えてしまうのである。

もちろん、モニターやキーボード・マウスなどの周辺機器は

別途必要になるが、単純に五万円あればとりあえずはパソコンを

利用できるようになる。

一昔前ならとても無理だった金額であり、ましてインフレしている昨今

何故かパソコンだけはその逆を行ってる感じすらする。

いろいろな理由があろうとは思うが、

そのひとつに中華ミニPCと言うのがある。

 

中華ミニPCと呼ばれるパソコンは2万円台で売っているわけだが

Windows11 Home は正規の値段で19,360円である。

アマゾンなどでは15,182円で売っている。

もちろん、マイクロソフトが企業にWindows11を大量に販売する場合は

一般販売のそれよりもかなり安く卸すことは想像に難くない。

ただ、それでも中華ミニPCが2万円そこそこでパソコンを販売できる

のは相当に廉売と思える。

パソコンは小さくてもCPUやメモリーSSDマザーボードそして、

ケースやその他付随パーツを考えるとOS代金を除いたら

いったい幾らのものなのかわけがわからなくなる。

 

Windows11にはライセンスの販売方法にいつくか種類がある。

リテール版・OEM版・DSP版そしてVL版があります。

リテール版とは、インターネットや販売店で売っている

Windows11でUSBなどがパッケージに入ったものです。

OEM版とは、メーカーのパソコンを買うとそれと一緒についてくる

Windos11です。特にパッケージなどはなく、パソコン本体に

すでに導入されているのが普通です。

DSP版とは、パソコン本体というよりはパソコンのパーツなどに

付随して販売されるWindows11です。ゆえに、DSP版を買うときは

パソコンパーツと一緒に購入します。

そして、最後のVL(ボリューム)版ですが企業向けのライセンスです。

企業にまとめてライセンスを販売する形式です。

なので、普通一般販売はしません。

 

そこで、件の中華ミニPCの話になるのであるが、どうも

中華ミニPCにはこのLV版のライセンスをミニPCに搭載して販売

しているようなのである。すべての中華ミニPCがそうなのかは

わかりませんが、割と少なくない数のミニPCがそのように売られて

いるようである。

 

こういった販売をマイクロソフトが認めているのか定かではないが

おそらくマイクロソフトが想定していたVL版の利用方法は

その企業の社員のパソコンに利用されるためのライセンスであったろうと

想像できる。

そのVL版をたくさん買い込み、ミニPCに搭載した上で一般販売をする

というのは想定していないのではないかと推察できる。

でないと、OEM版は一体なんのためにあるのかわからなくなる。

多分ではあるが、VL版OEM版よりもライセンス料がやすいのでは

と推察できる。

 

これがグレーなのかアウトなのかよくはしらないが、少なくとも

真っ白ということにはならないだろう。

 

そもそも、グレーだのアウトだのに拘らなければならないのは

Windowsというパソコンにおいてはほぼ独占状態のOSに頼らなければ

ならないからである。マックOSやクロームOSなどもあるが

パソコンにおいてはWindowsには比較にならない。

もちろん、悪いばかりではなく多くのソフトがWindowsに合わせれば

ソウトウェアーが作れるから、それぞれのOSに合わせて

多種多様に作る手間がかからない。また、ソフトウェアー上の問題が

比較的早く対処できるなど良いことが多い。

その意味でWindowsが寡占状態というのも悪いわけではないが、

しかし、すべてのルールがマイクロソフトによって決められる。

ライセンスのルールもその一つであろう。もっと言ってしまえば、

OSをいくらで売るかもマイクロソフトのさじ加減である。

 

ただ、もしかしたらこれからそのマイクロソフト寡占状態が崩れるの

ではないかと思えることがある。

2025年の10月にWindows10のサポートが終了するのである。

もちろん、サポートが終了するからと言って突然利用できなくなる

わけではないが、セキュリティーなどの問題を考えた場合

あまりサポートされないOSを利用するというのは、はかばかしくない。

ソフトもどんどんWindows10には対応していかなくなるだろう。

そして、Windows10が終了するに当たり、Windows11がインストール

できないパソコンが大量に出るのである。

インテルで言えばCoreI 第7世代以前であり

AMDで言えばRyzen第1世代以前であります。

理由がTPM2.0に対応してないとか、いろいろあるようであるが・・・。

つまり、ちょっと古いパソコンはWindowsが使えないということに

なるのである。これは結構なインパクトである。

 

そこで、じつは昔からあるOSがある。リナックスである。

リナックスというのは、基本的には無料のOSである。

有名なところでは、Ubuntuなどである。

一般的にはリナックスはサーバーやソフト開発する人たちが

利用するOSと考えられていて、また必ずしも間違ってはいない。

リナックスといえばCUIと言って

わけのわからない文字やら数字やらを書いて、ソフトを動かす

あるいは開発するものだと考える人が多いのではないだろうか。

一方のWindowsGUIといって、

マウスを操作して、アイコンやファイルをクリックして

ゲームやら音楽やら動画を楽しむ簡単な方法です。

基本的な部分で言えば、リナックスに対するそういった考えは

間違ってはいません。

 

ただ、Ubuntuに代表されるリナックスは、すでにGUI化されていて

じつはあまりWindowsと操作方法も変わらなくなってきているのである。

僕もDebian系のリナックスであるZorinOSを使っている。

リナックスにもいろいろと派閥というか、種類がありまして

詳しくは僕も全く知らないのですがこのDebian系というのは、

UbuntuなどもこのDebian系に属するリナックスです。

 

問題はリナックスに詳しくなることではありません。

一般の人が別にWindowsにたいして詳しくないように、リナックス

詳しくなる必要は僕はないと思っています。

言ってしまえば、ただのOSです。ゲームが出来て、動画が見れて、

オフィスソフトが使えて、インタネットができれば良いのです。

そして、それらがWindowsのように簡単に操作できればいいだけの話です。

 

問題は、簡単にリナックスが扱えるかどうかだけです。

僕が使っているZorinOSは、厳密いえば違いますが、誤解を恐れずに言えば

ほとんどWindowsの操作と代わりがありません。

多少Windowsとは違うところもありますが、少し触ってみれば

簡単に慣れてしまうのではないかと思います。

Windows以外さわったことがないと思っている人も多いかもしれませんが

スマホのアンドロイドもリナックスカーネルを利用したOSです。

ぶっちゃければほとんどの人が知らず知らずリナックスを扱っていたり

するのです。つまり、アンドロイドを操作できているのならば

UbuntuやZorinなどもいともたやすく基本的な操作は習得できるのでは

と推察できます。

そんなに、構えなくてもWindowsに毛が生えた程度の操作感です。

ただ、ソフト利用でなにか問題が起きたときとかは自力で解決しなければ

ならないところがあってこうなると、ハードルが飛躍的に上がるのも

また事実です。

故に、Windowsを捨ててすべてリナックスにしよう・・・とは言えません。

OSにおいて圧倒的にWindowsが有利であることに違いは無いからです。

 

ただ、2025年10月にWindows10がサポート切れるあたり、

ちょっと古いパソコンが大量にWindows非対応になるので

といっても、一般な利用用途であれば、まだまだ使えるパソコンたちである。

これらが、ただただ廃棄されてしまうのは実に勿体無いと僕は

思ってしまうし、一般的に言って過不足なく使えていたパソコンが

ただOSが対応しないからと言って使えなくなるのは本当に

ざんねんである。

 

そこで、リナックスの登場と相成るわけです。

リナックスのパソコンに対する利用要求は実はWindowsよりも低い

のである。かなり古いパソコンでも、使えるのである。

もちろん、それなりに新しいパソコンのほうが良いのは変わりないが。

ただ、Core i 世代であれば余裕で操作できるのである。

つまり、Windowsを利用できなくなったパソコンにリナックス

導入して使えば、動画でも音楽でもネットサーフィンでも

普通に利用できるのである。

しかも、Windowsとそう操作感が違わずにである。

 

今使っているZorinOSであるが、ぼくもCUIなど全くわかりません。

つまり、Windowsのような操作方法でないとパソコンが使えない

のである。なのに、いま普通にブログも書けるし、ユーチューブも

見れます。ブラウザゲームだったらほとんどできるのでは思います。

ただ、Windowsに合わせて作られた、ダウンロード型のゲームとなると

リナックスでやるとなると難しくなる。Wineを利用して云々となり

しかも、動くゲームもあれば動かないゲームもありとなり、

いかばかりか複雑になる。

ゲームだけではなく他のソフトでもWindowsに合わせたソフトウェア

リナックスで利用をするとなるとちょっと難しくなってしまう。

だから、Windowsがいらないとはならないのである。

ただ、ネット上で完結することであれば、基本的にはWindows

それと大した違いはないし、またZorinであれば、グーグルプレイストア

のように、ただそのアイコンを押せば利用できるソフトも多々あります。

リナックスも着実にユーザーフレンドリーになってきています。

 

マイクロソフトWindowsをどのように利用させるかあるいは

どのような販売をするかは、法律あるいは商習慣をあまり

逸脱しなければ自由です。

ゆえに、VL版を分割して販売している中華ミニPCのライセンスを

ある日突然止めたとしても、もしかしたら文句も言えないのかも

しれません。どうするかは、マイクロソフトの手のひらです。

 

また、無理やりWindows11非対応のパソコンにWindows11を入れて

利用していたとしても、ある日突然ライセンスアウトになっても

文句が言えないのです。

 

どうするのか、どうやっていくのかマイクロソフトは何も言わない

のでわかりませんが、そんなことなら僕だったらいっそのこと

UbuntuなりZorinを使ったほうが良いんじゃないかと思います。

仮に新しいパソコンをWindows11のために買ったとしても、

古いパソコンはLinuxを導入して、セカンドパソコンとして

こたつの上でもポンと置いておいて使えるようにしとけば

良いんじゃないかなっとて思うんですよね。

また、これからもしかしたら大量にWindows11非対応パソコンが

中古市場で出回るかもしれません。そうなると、かなり激安で

程度の良いノートパソコンが手に入るかもしれません。

それに、リナックスを導入して使うなどというのも良いかもしれません。

 

個人的な見解で言えば、中華ミニPCがどのようなライセンスで売ろうが

普通にWindows11として使えるのであれば良いんじゃないかと

思っていますが、ただやはりライセンスが不安定というのも

精神衛生上良くないし、一石を投じる意味でも、僕はせっかくの

チャンスと捉えて、リナックスに触れてみるのも悪くはないのでは

と思っています。

本当に、あんまりWindowsと違いありませんから。

 

ただ、何事に置いても自己責任でお願いします。

質問されても、僕もど素人で答えられませんし、仮にリナックス

動かなくても僕もわかりません。リナックスは基本的に自己責任です。

そこがリナックスの難しさなのかももしれません。